家庭でできるわきが対策には限度がある?
お子さんの衣服を洗濯しようとしたとき、お子さんが汗ばんだときなどに、わきがのにおいが漂ってきてショックを受けた……なんて経験はありませんか?
思春期になると現れ始める、わきが体質のお子さんの体臭。近年では、食生活の変化などが理由で、わきが発症の低年齢化が進んでいるといわれており、小学校低学年でにおい始める子もめずらしくありません。
ご家庭でできる対策といえば、毎日お風呂に入れたり、市販の制汗剤を使用したりすることではないでしょうか。けれども、市販の制汗剤はわきの表面にふたをしているだけなので、汗をかくと流れてしまうし、抑制効果に物足りなさを感じる親御さんも多いようです。
朝に塗っても放課後までは持たないし、かといって学校で勉強に遊びに忙しい子どもは、制汗剤のこまめな塗り直しなどすっかり忘れてしまいますよね。
においの程度に合わせて手軽な施術法が選べる
わきがは「アポクリン腺」という汗腺から出る汗が原因です。これはすべての人が持っている汗腺ですが、わきがの人のアポクリン腺は、そうでない人と比べて数が多い、一つひとつのサイズが大きいという特徴があります。脂肪やたんぱく質、鉄分などを含むアポクリン腺による汗は、皮膚表面の雑菌に分解されることで独特のにおいを発するのです。
わきがは遺伝性によるものが大きいことから、アポクリン腺を物理的に除去してしまうことがもっとも効果の高い治療法です。とはいえ、まだ成長段階である子どもの場合、今後アポクリン腺の数が増えていったり、除去したアポクリン腺が再生する可能性があるのに、お子さんの心身に大きな負担をかける切除手術となると、かなり躊躇してしまいますよね。
しかし近年は、副作用や傷跡の心配のない、切らない施術法が増えているってご存知ですか? 症状の軽さの順に、子どもにも適応可能な施術をご紹介します。
持続時間の長い制汗剤
「パースピレックス」
持続時間の長い制汗剤「パースピレックス」
市販の制汗剤のようにわきの表面にふたをするのではなく、汗腺深部にふたをすることで発汗を防ぎます。
1回の使用で3〜5日間持続するので、塗り忘れた日の心配や、こまめな塗り直しの手間もありません。12歳以上の子どもにも使用可能です。 >>詳しくはこちら
多汗に効果的「ボトックス注射」
多汗に効果的「ボトックス注射」
アンチエイジングにも利用されるボトックスには、発汗を促す神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑制する働きがあり、多汗症の症状に特に効果を発揮します。
汗の量を抑えることでにおいの量をも軽減させる方法で、小学校高学年以上で症状が軽度のお子さんにオススメです。
持続期間は3~6ヶ月ですが、繰り返し行ううちに汗腺が萎縮し、汗・においを抑える持続期間が長くなったり効果が高まったりすることもあります。 >>詳しくはこちら
アポクリン腺を照射して壊す
「ミラドライ」
アポクリン腺を照射して壊す「ミラドライ」
マイクロ波を照射することで汗腺を焼き壊す、最先端の切らないわきが治療のマシンです。腫れはしばらく続きますが、傷跡は一切残らず、また施術は1時間ほどで終わるなど、汗腺を切除する手術と比べて負担が大幅に軽減されます。
15歳以上のお子さんや、マイクロ波を照射するヘッドがわきにあてられる程度の華奢すぎないお子さんであればオススメです。
ミラドライの最大の魅力は、汗腺を除去することで確実性の高い効果が長期的に持続すること。成長期を終えるまでに汗腺が増えたり大きくなったりしたら、再度施術を受けることももちろん可能です。>>詳しくはこちら
においは親子間でも大変デリケートな問題ゆえに、本人に伝えることで傷つけてしまわないか、ギクシャクしてしまわないかと心配する親御さんの声をよく聞きます。しかし、クリニックに連れてきたら、実はお子さん本人も悩んでいたというケースは意外に多いものです。年々、子どもにも受けさせられる安心安全な施術法は増えているので、いじめやトラウマ、自尊心の喪失など深刻な事態になる前に、まずは気軽にカウンセリングを受けてみませんか。