豊胸手術の種類

豊胸手術にはヒアルロン酸の注入、シリコンバッグの挿入、脂肪注入といった3種類の手術があります。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、正しく理解したうえで自身に合ったものを選択しなければなりません。
ここでは、それぞれの施術方法について詳しく見ていきましょう。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、メスを使わない施術方法です。
乳腺と胸筋の間に専用のヒアルロン酸を注入することで、バストアップを実現します。施術時間は15〜30分程度と短く、すぐに日常生活に戻れるのがメリットです。
注射による施術のため、身体的な負担が少なく、ダウンタイムも比較的短い施術であるため初めて豊胸を検討する方に多く選ばれています。
ただしヒアルロン酸が徐々に身体に吸収されるため、効果の持続期間は1〜2年程度とほかの方法と比較すると比較的短い傾向があり、維持するには定期的な施術が必要です。
シリコンバッグ
シリコンバッグ豊胸は、胸にシリコン製のバッグを挿入する施術です。この手法では、脇の下や乳房下縁を数センチ切開し、専用器具を使ってバッグを挿入します。
一度挿入すれば半永久的な効果が期待でき、2カップ以上などの大幅なサイズアップも可能です。後述する脂肪注入が難しい痩せ型の方にも適しており、体型を問わず理想のバストを得られる点が特徴といえるでしょう。
最新のシリコンバッグは柔らかく自然な感触で、見た目も非常にナチュラルに仕上がります。
ただし、異物反応によるカプセル拘縮や経年劣化によるメンテナンスが必要になる場合があります。そのため、施術後も定期的な検診が必要です。
脂肪注入
脂肪注入は、自身の身体から採取した脂肪をバストに注入する方法です。脂肪は主に太ももや腹部から吸引され、不純物を除去した後にバストへ注入されます。
この方法は異物を使用しないため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低く、安全性が高いとされています。
また、触感、見た目ともに自然な仕上がりが得られることも特徴です。さらに、脂肪注入は部分痩せ効果も期待できるため、痩身と豊胸を同時に叶えたい方にも適しています。
一度定着した脂肪は半永久的に効果が持続しますが、すべての脂肪が定着するわけではないため、手術直後よりはサイズダウンするケースも少なくありません。
また、自身の脂肪を使用するため、瘦せ型の方は施術できないこともあります。
豊胸手術の失敗例と原因
豊胸手術は、施術内容や医師の技術、術後のケア次第では失敗が生じることもあります。
失敗すると見た目や触感に影響を与えるだけでなく、健康面にも悪影響を及ぼす可能性があるため、事前にリスクを理解しておくことが必要です。
ここでは、豊胸手術でよく見られる失敗例とその原因について詳しく解説します。
しこりができた
しこりは豊胸手術において比較的よく見られる失敗例で、特に脂肪注入やヒアルロン酸注入の豊胸で発生しやすい症状です。
注入された脂肪やヒアルロン酸が体内で適切に定着せず、壊死することで生じます。医師の技術不足、脂肪処理の質、注入量の過多やヒアルロン酸の品質などさまざまな原因が考えられます。
しこりが形成された場合は、すぐに医師に相談し、適切な処置を受けましょう。
カプセルの拘縮が起きた
カプセル拘縮は、主にシリコンバッグ豊胸で発生する合併症です。身体が異物として認識したシリコンバッグの周囲に繊維性の被膜が形成され、それが収縮することで胸が硬くなったり変形したりします。
手術時の出血量や、乳腺とシリコンバッグの接触、慢性的な炎症などが原因となります。進行すると痛みを伴い、重症化すると再手術が必要となる可能性があります。
石灰化
石灰化は、豊胸手術後に体内のカルシウムが沈着して硬い殻状になる症状です。脂肪注入やシリコンバッグ豊胸の両方で起こる可能性があります。
壊死した脂肪組織周辺の炎症や、シリコンバッグを包む被膜へのカルシウム沈着によって発生します。
小さな石灰化は違和感がある程度で問題ない場合もありますが、放置するとシリコンバッグ破損の原因になったり、除去が困難になったりするリスクがあるため注意しましょう。
左右で大きさが異なる
豊胸手術後に左右差が生じる原因には、脂肪注入時の定着率の違いやシリコンバッグの位置ずれなどがあります。
特に脂肪注入では、注入した脂肪の量や質、定着率のばらつきによって左右差が目立つことが少なくありません。ヒアルロン酸注入でも左右差が発生するケースもあります。
利き腕による筋肉の発達度合いや、もともとの体の左右差も影響する要因です。この左右差は、ブラジャーによる支え方の違いなどによってさらに目立つこともあります。
体質的なものによるケースもあるものの、カウンセリング不足や医師の技術不足によって起こりやすい失敗例のひとつといえます。
硬くなった
ヒアルロン酸注入やシリコンバッグ挿入後に、胸が硬くなるケースも報告されています。豊胸後の硬化は、施術方法によって原因が異なり、ヒアルロン酸注入の場合は注入するヒアルロン酸自体が硬いことや、注入量が多すぎることが原因です。
シリコンバッグの場合は、カプセル拘縮による被膜の硬化や、バッグ自体の性質による硬さが原因となることがあります。また施術直後は問題なくても、時間の経過とともに石灰化し硬くなるケースもあるため、注意が必要です。
豊胸手術で失敗しないための対策と注意点

豊胸手術の成功には、適切なクリニックと医師の選択が極めて重要です。失敗を防ぐためにできる対策やクリニック選びの際の注意点を紹介します。
価格のみで決めるのは危険
豊胸手術に限ったことではありませんが、美容整形や美容医療は高額になるケースも多いことから価格の安さを重視しがちになるかもしれません。
もちろん価格もクリニック選びの基準となるひとつの項目ではありますが、安さのみで決めるのはリスクが伴うこともあります。
極端に低価格の施術には、使用する材料の品質が低い場合や、医師の技術や経験が不足しているなど何らかの理由がある可能性があるためです。
また、アフターケアや施設の設備などが不十分な場合もあり、結果的に再手術が必要となるケースも少なくありません。
適切なクリニックを選ぶ際には、料金だけでなく、医師の実績や使用する材料の安全性、アフターケア体制などを総合的に判断することがを心がけましょう。
アフターフォローの充実度をチェックする
豊胸手術後には、定期的なメンテナンスやトラブル対応が必要となる場合があります。
特にシリコンバッグ挿入の場合は、バッグの破損やカプセル拘縮などのリスクがあるため、メンテナンスが欠かせません。
信頼できるクリニックでは、術後のフォローアップ体制が整っており、異常が発生した際には迅速かつ適切に対応してくれます。
カウンセリング時には、アフターフォローについて詳細に確認し、自身に合った体制を持つクリニックを選ぶことが大切です。
医師の指示には従う
ダウンタイムにしてはいけないことや、施術後の生活上の注意点など、医師に指示されたことには従いましょう。
また術後の経過は個人差が大きく、予期せぬ症状が出ることもあります。痛みやしこりが見られた場合は、すぐに医師に相談することも大切です。
納得できるカウンセリングが受けられるか
カウンセリングは、豊胸手術の成否を左右すると言っても過言ではありません。信頼できるクリニックでは、患者一人ひとりの希望や不安に寄り添い、施術方法やリスクについて丁寧に説明してくれます。
また、自分が理想とする仕上がりイメージや予算に基づいた提案を行い、不安や疑問点にも真摯に対応してくれる経験豊富な医師であることが重要です。
納得のできるまでカウンセリングが受けられることを大切にしているクリニックを選ぶことで、認識のズレなどによるトラブルを防ぐこともできるでしょう。
クリニック選びの手がかりはカウンセリングにあり!

バストの大きさや触り心地、美しいデザイン、リスクの軽減など、顔以上に医師のセンスや技術力が問われるといわれる豊胸術。
だからこそクリニックは慎重に選ぶことが何よりも重要です。
そこでぜひ活用したいのが無料カウンセリング。希望や不安を相談する場であるとともに、自分自身の目や耳で確認しながら医師・クリニック選びの判断材料を集められる絶好のチャンスでもあるのです。
そのためには下記の4つのポイントをしっかりおさえ、カウンセリングを最大限に活用しましょう。
Point1リスクについて十分に理解する

高度な技術が求められる施術ということは、それだけ失敗や後遺症などのリスクがつきまとうということです。
バッグプロテーゼ挿入、脂肪注入、ヒアルロン酸注入などそれぞれの施術によって失敗や後遺症などリスクは異なるので、十分に納得できるまで丁寧に説明してもらいましょう。
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Point2希望の仕上がりや施術について相談する

これくらいサイズアップしたい、谷間をつくりたい、左右の大きさを揃えたい、異物を入れることに抵抗があるなど、自分が理想とする仕上がりや希望の施術を伝えましょう。その上で、元のバストの大きさや形、年齢、体型、予算などと照らし合わせて、最適な施術法やボリューム、デザインなどを決めます。
聖心美容クリニック六本木院では、「ベクトラ3D」というシミュレーションシステムによって実際の仕上がりを細かくシミュレーションし、あらゆる角度から確認することが可能です。
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Point3医師やクリニックの“質”を見極める

Point.1のようなリスクについて積極的に触れたがらない、説明が不十分、不安な気持ちを理解してくれない、あるいはPoint.2のような仕上がりイメージを詳細に説明してくれない、元のバストの大きさや形などを確かめず話だけで終わらせる……そのような対応をする医師は、とにかく施術を受けさせようと必死であることが多く、親身で熱心な医師とはいいがたいでしょう。
クリニックに関していえば、カプセル拘縮(こうしゅく)などのリスクを最小限に抑えるために術後のアフターケアに力を入れているか、できるだけ新しい技術を採用しているか、料金設定が正当かつ明瞭であるか、衛生面やプラバシーを重視しているかなどについて確認しておくと安心です。
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Point4カウンセリングと施術は同じ医師が担当するか確認

カウンセリングと施術を担当する医師が一貫して同じであるかという点も実は大切なポイントです。
カウンセリングで聞いた希望や施術法などを引き継いで別の医師が行うクリニックもありますが、細かいニュアンスなどはどうしても伝わりにくいもの。患者と医師の小さな意識のズレが大きな失敗につながりかねません。
カウンセリングと施術を同じ医師が担当しているクリニックは、そのような細かな点もきちんと重視していることの表れともいえるので、信頼性の目安のひとつとなるでしょう。
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何度も足を運ぶのを避けるために、カウンセリングと施術を一日で済ませたいという方もいるかもしれませんが、一度自宅に帰り落ち着いて検討することをおすすめします。
その場で決めさせようと強引に進めるような医師やクリニックには十分に注意してください。